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なめていた。 いくら‘競’が付いていても、しょせん‘歩き’やん・・・、と思って観た世界陸上大阪の競歩。 いくら50kmと言っても、‘競’を冠に付けるほどの激しい戦いではないやろ・・・、と思って観た6:45からの毎日放送。 しかし‘競艇’よりも‘競馬’よりも‘競輪’よりも、迫力と悲壮感と選手の命懸けさが伝わってくるのが‘競歩’だった。 日本人の‘負の連鎖’が続出し、筋肉の痙攣やら足の攣りで本命選手が次々と予選落ちしていく。 食べ物が偏っていて、アスリートとしての細胞を作り上げてなかったのか、はたまた自国開催のプレッシャーか知らぬが、ここまで負けが込むと視聴率も落ちているのではないかと心配していた。 こうなると、インテリジェンスの欠片もない織田裕二の甲高いキンキン声までもが癪に障る。 気持ち悪いくらいのハイテンションに、「ちょっとは黙っとけッ!素人のお前が偉そうに言うなッ!」と画面にツッコミを入れたくなるここ数日だった。 世陸大阪の残りの楽しみは明日の女子マラソンくらいか・・・と冷めていた。 しかし。 しかしである。 全く期待していなかった競歩の山崎勇喜が私を泣かせてくれた。 フラフラと蛇行しながら意識朦朧でクネクネクネクネと足を運ぶ山崎の姿は、多くの人の心を鷲掴みにしたはずだ。涙無しには観れなかった。 さらに彼を悲劇のヒーローにするのが、誘導員のミスだ。 さらに彼を劇的な感動ウォーカーに演出するのが、大好きな土井敏之アナウンサーの「こ、こ、これは誘導を、ま、ま、ま、間違えていませんか〜ッ?!!!」と本音バリバリの焦り声だ。 一瞬‘放送事故’が起きたのではないかと聞き紛うような土井さんの絶叫に、私は背筋が凍る思いがした。 ここまでの山崎の命を削る歩きを見てきただけに、‘こんな悲惨なミスがあってはならんッ!’と体の芯から正義感のような何かが沸き上がってきた。 エアコンの利いた快適な部屋で、正常な心拍数で観ている私が発する正義感など全くの‘お門違い’であるが、「なんとかして山崎を助けたいッ!」という妙な何かに付き動かされるような感覚になった。 結果は「棄権」。 原因は誘導員の単純な計算ミス。山崎には全く持って非はない。 山崎が3時間以上も削り続けた命の炎が、単なる人的ミスで吹き飛ばされてしまった。 人生を象徴するかのような「地道な努力が他力によって消されてしまう」事実を見せつけてくれた競歩だった。 これで北京五輪に選出されなかったら悲しすぎる・・・。 ありがとうございます、感謝。胃の内容物を吐き続けても走り直す競歩選手の壮絶な生き様。 ありがとうございます、感謝。先入観を持って観ては何事も本質に触れ得ないとの学び。 ありがとうございます、感謝。競歩は一度はまると止められない例えを「歩く中毒=アル中」と称した絶妙な解説者。 |
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