『三者三様』

AM11時前の天満橋。腹が減った。
喫茶店の前を通りかかると、美味そうなモーニングセットの看板アリ。
少し早いが今日の昼飯は、トーストにサラダ、スクランブルエッグにソーセージのCセットにしようと入る。
この時、入店時刻はAM10:55を指していた。
「モーニングまだやってますか?」と私。可愛いお姉ちゃんがニッコリ笑って「ハイ、大丈夫ですよ。」と。「Cセット、ホットコーヒーでね、ありがとう。」と私。

運ばれてくると同時に、各テーブルの上のモーニングメニューを片付けてランチメニューに差し替えだした。表の看板もモーニングのデコレーションからランチのそれに変わる。
‘お~~、ギリギリ間に合ったのが私か’と思い、トーストをほおばっていると、その女の子がキッチンに向かって「看板OKでぇ~~っす。」と言った。キッチンから「了解でぇ~~っす。」とコックの声が返ってきた。
その時、11時入りなのだろう新しい男の子が「おはようございまぁぁ~~っす」と出勤してきた。
ほぼ同時に、おっさんのお客様が来られた。「いらっしゃいませ~~っ。」
この時、入店時刻はAM10:59を指していた。
出勤したての男の子に「モーニングくれや~。」とおっさん。
男の子、チラッと時計を見て「ハイ、かしこまりました~。」と受けた。
デシャップ台のオーダードラムに伝票を挟み、「モーニング、ワンです~~。」と言った。
キッチンからコックが怒った。「アホかッ!お前、看板もメニューも変わっとるやろッ!モーニングはもう終わりやッ!なに注文とってきよんねんッ!ボケッ!」
男の子は「いや、ギリギリ11時ですよ。」と。
コックはさらに怒った。「アホかッ!メニューの差し替えが優先なんじゃ!ボケッ!何考えてんねん?!お前アホかッ!ボケッ!・・・・・。」
そして少しの間を置いてから、「まぁ、しゃーないわ・・・これで絶対やめてくれよッ!もう作らへんどッ!気ぃ~つけ~よッ!このボケがッ!」
男の子「すいません・・・。」

とにかく聞くに堪えないコックの罵声だった。

ありがちな光景かも知れぬ。しかし私が嫌~~っな気分になったのは、そのデカイ声のやり取りがモーニングを頼んだおっさん客にまる聞こえだった事だ。
気まずそうな顔でうつむいていたおっさんの表情が忘れられない。展開次第では「も~ええわ!」と怒り出すんちゃうかとドキドキしながら見守った。

11時ギリギリに来店したおっさん。
お客様のオーダーに応えようとして終了後のモーニングを受けた出勤したての男の子。
締め切りの後に入ったオーダーに怒るコック。
三者三様の表情がベストアングルで見て取れる席にいた私は様々な思いを巡らせたが、結論としては‘サービス業はマニュアル通りの枠内でやっている限り、本当のCSは出来ない’ということ。時にはルール以外の臨機応変さの中にこそ、人の心の温度が伝わるのだ。

コック!怒りの感情は食材の品質を劣化させるぞよ。時間外でも、注文を下さる事こそがありがたいのだぞよ。

ありがとうございます、感謝。偶然入った喫茶店が学びの場となったタイミング。
ありがとうございます、感謝。怒りの感情は本当に醜いと見せて頂いたコックの姿。
ありがとうございます、感謝。そのコックが愚痴・不平・不満の心で作った割には、美味しかった550円のモーニングCセット。

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