『極みに向けて』

技を磨きたい。芸を極めたい。もっともっと上を目指し、自分の潜在能力の限界を突破したい。

私が、これ以上の職人はいないだろうと敬愛するイチローは、24時間休みなく野球の事を考えていると思う。だからこそ、ミリ単位のバットコントロールでボールにスピンをかけながら擦るように回転させ、内野の間を打球が物凄いスピードで抜けていくのだろう。

私は野球は素人だが、話芸はプロを志している。
24時間休みなく芸のことが頭を離れることはない。
毎回毎回が自分のバッティングフォームならぬ‘話型(わがた)’の微調整だ。

イチローは道具にもこだわりをみせるようだが、私は‘弘法、筆を選ばず’にあるように、どんな道具を与えられても、どんな環境でも、どんな聴衆でも、常に一定の成果が上げられる‘しゃべくり’を目指している。
もちろん最初からそうだった訳ではなく、約10年ほど前にマルチビジネスのセミナーで全国を歩いていた頃は、こだわった。

マイクはハンドが良いのかピンマイクが良いのか、演台はあったほうが良いのか無いほうが良いのか、ホワイトボードに書きながらが良いのかそうでないのか、パワーポイントを使うのが良いのかそうでないのか、資料を事前に配っているほうが良いのか何も渡さないほうが良いのか・・・。

今の段階(もちろん発展途上)で行き着いているのは、‘あれこれ考えない’というのが最高の結論だ。
私がいつも言う‘うまくやろうとしないことが、うまくいく最大のコツ’に通ずる。
結局のところ、策を講じすぎるとその通りいかない。

先日、かなり劣悪な環境の中でしゃべらせて頂いた。
マイクが安物なのかスピーカーに問題があるのか、ハウリングとの戦いだった。しかもマイク無しでは後ろの方には聞こえない大人数の大会場。
気になって集中力が欠けそうになったが、‘悪条件にありがとうございます。うまくやろうとしなくてもよい、自然にやらせて頂けることにありがとうございます。’と心に唱え、取り組ませて頂いた。

自然にホワイトボードを使ったかもしれないし、何も書かなかったかもしれない。
自然に演台から前に出てしゃべったかもしれないし、演台に手を着いてしゃべったかもしれない。
何も覚えていないが、心のおもむくまま自由に自然にお客様と一体になってしゃべったことだけが、爽やかな達成感として記憶している。

終了後、後ろで聞いて下さっていたスタッフが、「いやぁ~浦上さん、伝統芸の落語を聞いているような感じでしたよ!笑いあり涙ありオチがあり、楽しませて頂きました。」と評してくれた。

ありがとうございます、感謝。自然が一番!を身をもって感じれた事。
ありがとうございます、感謝。自分を高めていける仕事の数々。
ありがとうございます、感謝。私が最も嬉しいと感じる評価、‘芸’という言葉をくれたスタッフ。

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