『記憶の共有』

初めて社会人になった会社の同僚で同い年の彼と、将来の成功を夢見て二人で独立した。20代後半の若かりし頃だ。その後お互いに、‘発展的解消’との位置付けで道を異にした。
そして私はフルコミッション訪販の世界へ行き、紆余曲折を経て今のピン芸人になった。
そして彼は順調に会社経営を成功させ、今では谷町に本社を構える成功者となった。社員全員が、社長である彼を慕ってバリバリと業績を上げ続けている。

おそらく私の年収の10倍はあるであろう彼から電話があった。
「浦ちゃん、テレビ見たで。久々に会おか」

私が出ている‘にんにく玉’のテレビ通販番組は、九州限定で放送されているのかと思いきや関西圏内でも放送されていたらしい。これがきっかけとなり、大阪で再会したのが7年ぶりとなった。会ってなかった7年間の空白など一気に縮まり、昔話に花が咲いてビールの量も普段以上になった。

同じ時を刻んだ共通体験を思い出して、当時と変わらぬテンションで大笑いできる仲間って本当に貴重だ。中年を過ぎた我々の年齢あたりから、同窓会のニーズが急増する心理が分かる。その意味でも、記憶を無くす病は、癌や心筋梗塞や糖尿病以上に辛い病なのかも知れない。

誰しも、忘れ去りたい記憶がある。
誰しも、消し去りたいのに心の奥底にこびり付いた記憶がある。
誰しも、どこかへ飛んで行って欲しいのに意識の根底に棲み付いた記憶がある。
しかし、良き記憶も悪しき記憶も完全リセットされて何も無くなる状態こそ最も悲しくて辛いのだ。

ありがとうございます、感謝。どんな種類の記憶にも価値があると実感した旧友との再会。
ありがとうございます、感謝。‘もしあの時彼と一緒に事業を続けていたら今頃は…’とのパラレルワールドを楽しめた旧友との再会。
ありがとうございます、感謝。道は分かれたけど私は私の道で良かったと帰着する人生の選択肢。

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この記事へのコメント

浦上俊司
2015年11月07日 23:09
安達さん、コメントありがとうございます。

やっぱ、あいつは凄いわ。私には逆立ちしても出来ない「会社経営」を立派に成功させてましたわ。お互いにオッサン化してたけど、話題は専ら20代のままでしたよ。

みんなそれぞれの道があるのでしょう、与えられた使命のもと頑張りましょう!
ありがとうございます。
2015年11月07日 22:38
久しぶりに会われたのですね。そういえば、私もしばらくお会いしていません。転職してからは、まったく会っていないような気がします。

その場に居合わせたかったですねぇ。昔のように、新卒社会人の気分になりそうですが(笑)