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福岡からの帰り、新幹線の改札口で偶然にも昔一緒にビジネスをしていた友人に会った。 聞くところによると、離婚して今は久留米に独りで住んでいるとの事。 彼は絵に描いたように仲睦まじい理想的な家庭だった。少なくとも私から見たらそのように映っていた。 奥さんも明るく楽しく優しくよく喋る人で、価値観と会話がピッタリと合う羨ましい夫婦だった。夫婦共通の人生目標も同じベクトルだったと聞いていた。 子供さんも元気にスクスクと明るい家庭の中で育っていると聞いていた。子供は‘夫婦が作る空気’の中で育っていくものだ。 その夫婦が離婚した。これで4人目だ。 私の友人で離婚しているのは何十人といるが、特に「絵に描いたような理想的な家庭」に映っていて離婚したのは4人目だ。それ以外は大体予想がついた。 当人同士でしか分からない事情が当然あったのだろうが、真相は知る由もない。 夫婦の間に、どうしても許せない何かがあったのだろう。 この「どうしても許せない何か」が心の底に澱(おり)のようにこびり付いている限り、それがいつの日か熟成されて発酵し、暗くて熱くて重いマグマのように拡大する。このマグマが持つ‘負のエネルギー’は凄まじい。 ある日突然、ほんの些細な引き金で一気に大噴火するものだ。 十数年の積み上げてきた小さな歴史など、一瞬で破壊するほどの凄まじい爆発力を有する。いい時期に、寄り添って支え合って労わり合ってきた信頼関係など、このマグマの前では何の力にもなり得ない。 チリのような存在だ。 膨大な計算式に生じる誤差のような存在だ。 友人夫婦の間に、どんなマグマがあったのかは外から見ている限りは分からない。 しかしこれだけ離婚が急増しているのは、「神が与えたもう人生試練」の中で、「人を許す」という修行が上位にランクされている証に他ならない。 上位にランクされているからこそ、「神のお試し」が次から次へと‘これでもかッ!’‘これでもかッ!’と示されてくる。そして私も含め多くの凡夫がそれをクリアできずに悶々と苦しんでいく。 まことに人間は修行のために不自由な肉体に宿るのだ。 ありがとうございます、感謝。今後ますます離婚が一般化していく世間の風潮。(バツ一が堂々と胸を張って生きていける時代が来るのだろう、いやもう来ている) ありがとうございます、感謝。‘人間は結婚したらしたで結婚した事を後悔し、結婚しなかったらしなかったで結婚しなかった事を後悔する’のカントの言葉が思い出された事。 ありがとうございます、感謝。久々に会った友人の妙にスッキリした様子にある種の羨ましさを感じれた事。 |
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