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奈良での仕事の帰り、新今宮で降りた。 かねてから行きたかった‘あいりん公共職業安定所’に立ち寄るためだ。 いや、私が仕事を求めて行列に参加するのではない。 研修でお会いする受講生の方々のモチベーションを上げるヒントを拾うためにだ。 その日の仕事を求めて必死で生きている労働者の姿、一泊何百円の簡易宿泊所に泊まる労働者の真剣に人生に向かい合う姿を見ると、受講生の方々が口にする仕事に対するグチなど、申し訳なくて吐けなくなる。 仕事があるだけで、心の底から打ち震えるような感謝が出来てしかるべしなのだ。 仕事が終わってから帰る家があるだけで、心の底から打ち震えるような感謝が出来てしかるべしなのだ。 行列に並ぶ60代とおぼしき(実年齢は分からん。みな一様に真っ黒の顔なので年齢は判別不能だ)労働者たちが道に沿って溢れるように行列をなしている。 目だけが、やけにハッキリと見える面構えが印象的だ。 私が彼らの前を通ると、みな一斉に敵意を持ったかのような眼光でメンチを切ってくる。 「オッチャン、そないな恐い目ぇ〜せんでええがなぁ〜。俺もスーツを着てるだけで、仕事の形態は‘日雇い人夫’やねん。自分の頑丈な肉体を信じてるけど、いつどないなるか分からん不安定な仕事やねん。仕事終わってから安い焼酎を飲む習慣もオッチャンらと同じやねん。夜は一泊何百円ではないけどホテルで一人で過ごす環境も同じやねん。なぁ、頑張ってやぁ〜、オッチャンら〜も。」と心でエールを送りながらも、身の危険を感じて足早に職安を後にした。 なぜかフォークの神様:岡林信康の悲しげなメロディが私の心の中に鳴り響いた。 グルリと一周まわって駅に戻ろうと思った。 簡易宿泊所がズラリと並ぶ。カラーテレビ付きなら豪華部屋で、若干高くなる。冷蔵庫付きなら宿泊代も千円を越えてくる。改めて東横インの快適さが理解できる。改めてニューオータニは完璧な至れり尽くせりの空間だと納得できる。 角を曲がると、手製宿泊所がズラリと並ぶ。 ブルーシートで構成された‘ひとつの町’だ。 ロープに吊った洗濯物の数々、ハンモック状の網の上でラジオに聞き入る姿、飼い主に妙に懐いた捨て猫の瞳、何かの価値を生み出すのだろう古タイヤで積み上げられたソファー・・・。 そんな‘町’の風景に見とれ、むせ返る悪臭の中を歩いて気付いた。 手製宿泊所のそれぞれの戸建は見事な‘高床式住居’なのだ。 そこには、猛暑の中でもなんとかして涼を得ようとする住人の知恵と工夫が感じられるのだ。 きっと彼らは私以上に多くの生活の知恵を持っているように思う。 普段、私が見えないものを見ることが出来ているように思う。 有り難う御座居ます、感謝。生活の原点に立ち返るきっかけをくれた新今宮。 有り難う御座居ます、感謝。自らの人生と真正面から取っ組み合って真摯に生きる姿勢は美しいと感じた新今宮。 有り難う御座居ます、感謝。彼らに仕事を斡旋してくださっている職安の方々。 |
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転職で年収アップ 2008/03/24 18:21 |
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