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19歳まで住んだ家は井戸水だった。 と言ってもさすがに手で汲んでいたのではなく、モーターで汲み上げるタイプだった。 これが冬場は凍結して井戸水が汲み上げれなくなる。それを避けるために就寝前、ほんの少しずつ水を垂らし続けるのだ。夜中ずっと。 それでも冷え込んだ朝にはモーターは凍結している。そして井戸水を出すために父がヤカンで沸かしたお湯をモーターにかけていた姿を思い出す。 面白いのが、水道局が断水になった時は近所の方が私の家に「水ちょ〜だい」とバケツを持ってくるのだ。その代わり、停電になると私の家は近所に「水ちょ〜だい」とバケツを持っていく。そんな近隣の助け合いが普通だった古き良き時代だ。 とにかく純粋な井戸水のおかげで私は19歳まで、いわゆるカルキ臭さを知らずに育った。だから独り暮らしを始めた京都の水道水を捻った衝撃は鮮明だ。‘これは水とちゃう!この臭さは何じゃこりゃ〜〜っ!?’という19歳の春だった。 井戸水は、夏は冷たく冬は暖かい。 給湯器の無かった昭和の我が家での主婦業で、おそらく母は井戸水の恩恵をずいぶんと頂いたはずだ。 先日、給湯器を新品にした平成の我が家では、快適な‘お湯ライフ’が満喫できているが、ふと井戸水が懐かしく蘇ってきた。 ありがとうございます、感謝。自然な井戸水で育ててもらえた昔の家。 ありがとうございます、感謝。家族の為に寒い冬の朝、モーターにお湯をかけていた若かりし父の背中。 ありがとうございます、感謝。でもやっぱり快適で安全な水道水+給湯器。 |
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